No.312 避妊去勢手術について
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
日に日に暑くなってきて、人間も動物さん達も熱中症にならないように気をつけなくてはいけない季節がやってきましたね。
さて我が家の愛犬が先日避妊手術をうけました。
そこで避妊手術をする事のメリットを少しお話ししたいと思います。
<望まない妊娠が避けられる>
現実的な話として、引き取り手がいない子犬は、どうなってしまうのでしょうか。それを考えると、飼い主さんが想定していない出産は避けるほうがいいと思います。
<問題行動が減少する>
オス、メスを問わず、性ホルモンが原因で起きる問題行動が減少します。メスは発情によってそわそわします。それがなくなり、精神的に安定すると言われています。メスの発情をキャッチしたオスは、さらに激しく、悩ましく遠吠えを繰り返したり、脱走してメスのもとに行こうとしたり、ライバルとなる他のオスとけんかすることもあります。必死に子孫を残そうとしているのですが、不妊手術によって性ホルモンの分泌がなくなるので、こうした問題行動が緩和・減少します。
<病気を未然に防げる>
乳腺腫瘍(メス)
乳腺にできる腫瘍。発病する半分は悪性で、その半分は、いわゆるガンです。発症には性ホルモンの関わりが重要視されています。初期発情前に避妊手術した場合の発生率が0.05%と極端に低く、1回発情後は6~8%、2回以降は25%くらいの発生率といわれます。発情がおこる回数が多いほど発生率が上がります。
子宮蓄膿症(メス)
出産経験のない高齢のメスに見られる疾患です。進入した細菌が子宮内で増殖し、膿がたまります。これが子宮蓄膿症です。通常、膣粘膜は酸性に傾いているため細菌は進入できませんが、発情期になると卵巣からホルモンが分泌され、細菌感染による防御力が弱まって進入を許します。避妊手術を行うことで、この病気の発症を予防できるとされます。
精巣腫瘍(オス)
精巣にできる腫瘍。放っておくと大きくなっていくので、早いうちに摘出します。高齢になってからではリスクが高く生命の危険と重なってきます。若い頃に去勢手術をしておくことで、発症を防ぐことができます。
前立腺肥大(オス)
前立腺が肥大して、進行することで組織内にすき間ができ、そこに体液や血液が溜まってしまう症状。去勢していないオスが6~7歳以降になると発症しやすいと言われています。
ただ避妊手術をする事で性格が変わる事があったり、太りやすくなったりします。
また全身麻酔によるリスクがあります。事前に血液検査やレントゲンなどを撮って確認しますが、絶対に安全という事はありません。
私も手術の前は不安で仕方がありませんでした。飼い主さまの中にもそういった不安を持ってみえる方もいらっしゃると思います。
何か少しでも心配な事がありましたら、お気軽にご相談下さい。