No.7 猫のロコモ その①
9/25〜27に行ってきたセミナーの内容を一部紹介したいと思います。
皆さんは、「ロコモ」という言葉をご存知ですか?
恥ずかしながら、私はこの講演を受けるまで知りませんでした。
最近テレビCMでも流れているようですね。
ロコモとは、ロコモティブシンドロームの略称です。
日本整形外科学会が提唱した造語であり、「骨・軟骨・関節・椎間板といった運動器の障害により、運動機能が低下した状態」のことだそうです。
高齢化が進んでいる日本では、高齢者の介護は誰もが無関係ではいられない社会問題の一つです。
そこで、介護の三大要因となっているメタボ・ロコモ・認知症を社会的に浸透させ、気をつけるようにとしているわけです。
このロコモが人だけではなく、実は猫でも問題になっているというのです。
猫が歳とともに少しずつジャンプをしなくなったり、あまり動かずじっとしていることは、今までは単なる自然の老化現象として捉えられていました。
しかし、実はこれが、猫にしてみれば「足がいてーよー」とか「腰が痛いんじゃい」とか言っていたんじゃないか、というのです。
この講演では、海外の調査論文がいくつか紹介され、
・6歳以上の猫の61%に少なくとも1つの関節の異常があった。
・12歳以上の猫の90%に関節の異常があり、特に肘が多かった。
・背骨では、腰仙椎領域(腰の骨と尾の骨の間)が多かった。
・14歳以上の猫の82%に少なくとも1つの関節の異常があった。
という報告があったのです。
そして、この講演をされた大学の先生が調べた、10歳以上の猫228頭の1193関節の調査では、
・関節(手足や背骨)に異常があった猫は、61.8%
・手足の関節に異常があった猫は、38.2%
・背骨の関節に異常があった猫は、46.5%
という結果でした。
ちなみに、猫の種類別では、
・日本雑種猫64.8%
・アメリカンショートヘアー62.1%
・チンチラ44.4%
・スコティッシュホールド100%
・ロシアンブルー20.0%
・アビシニアン0%
で、異常があったということでした。
スコティッシュホールドは、将来必ず関節が悪くなるということですし、飼い主さんは、若い頃と比べて活動性が落ちていれば、動物病院に相談してもいいかもしれません。
また、スコティッシュは、骨軟骨異形成症という骨の病気にもなりやすい種類(特に折れ耳のスコ)です。
これは、かかとの骨に多く認められ、骨が異常増殖して痛みを伴います。
多くは、1歳未満から発症します。
ちょっと長いので、続きは次回です。